第30章 He is a NOT boy. 〔大和守安定/R18〕
「…意地悪って…もっと焦らして欲しい?」
大和守の囁きに、雅のからだがまたぴくりと反応してしまう
『…うそ…こんな声…こんな顔…するんだ…』
閨で聞く初めての大和守の声はいつもの明るく弾む声ではなく、おとこの声そのもので熱に浮かされたように低く掠れている。
そして表情は、やはりいつもの明るい少年のような笑みを浮かべるものではなく、おんなを求める雄そのもの、影を持ったおとこのものだった。
そんないつもとの様子が全く違う大和守に、からだの奥が自然にきゅんと熱くなり腰を揺らしてしまっているのに大和守が気付いた。
「…腰、揺れてる…感じてるんだ…」
ぺろりと耳たぶを舐められながら言葉を囁かれ、つい全身が一瞬震える。
「…ひゃっ…」
「…あぁ…さっきから何だろうと思っていたけれど…耳が弱いんだね…」
くすくすといつもの笑顔とは違う淫靡な笑みで雅を見下す大和守に、雅はあきらかに差異を感じる。
『弟じゃない…おとこだ…どうしよう、翻弄される…』
大和守の全くいつもと違う様子と、おんなとして包まれる悦びを少しずつ感じていくからだに、雅はもっと大和守が欲しいと感じる。
「…焦らさないで…」
やっと雅は言う。
大和守は雅のその言葉を聞き、そんなことを言う表情を見て…理性を無くす。