第30章 He is a NOT boy. 〔大和守安定/R18〕
「安定?彼は可愛いよね。私は弟みたいに思ってるよ」
ある日、加州清光に聞かれて、審神者は本丸の自室で答えた。
安定とは大和守安定で、加州清光と同じ新選組の沖田総司に使われた刀。
だから二振りはコンビのようなもの。
加州が黒と赤を基調としたおとなっぽい洋装で、体形もかなり細身。
安定は新選組の青を基調をした和装で、少年から青年になりかけのわりとすっきり体形。
「ふぅん、主から見て、安定は弟なんだ」
ひとりごちる加州に、審神者はだから何が知りたいのだろう、と首を傾げる。
「あ、清光、貴方も私には可愛い弟だよ?」
急いで付け加えると、加州はにっこり笑顔を向ける。
「とってつけたようなお言葉、ありがとう、主」
「あら、もしかして機嫌悪くした?」
急いで加州へ言葉を掛けると、加州は更ににこにこする。
「うん、わかった?ま、俺ならしばらく近侍をさせてくれれば許してあげても良いよ」
笑顔を見せつつ静かに怒る加州に、審神者は彼をしばらく近侍にする事を約束させられる。
「それにしても…俺たちは弟か…安定…なかなか主は手強いぞ…」
小さく呟いた加州の言葉を、審神者は他の事に気を取られて聞いていなかった…