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刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第29章 Happy Halloween ! 〔伊達組〕


「急げ、何があった!」

廊下から複数の叫び声が聞こえてきて、さすがに四振りはまゆをひそめる。

「やばいな…何があった…見て来る」

大倶利伽羅がするりと襖を小さく開け、外へ出ると同時に誰かが鋭く叫んだ。

「時間遡行軍だ…!何故、本丸に…!?」

ばたばたと複数の足音が廊下で止まり、外を見上げると、結界を割ってくる時間遡行軍の姿が目に出来た。

「主!」

複数の声が聞こえる中、この本丸の審神者が出てきて、結界を強固なものにしようと印を結び出す。

結界を張り直し時間遡行軍が入ってこられないようにしながら、何故この本丸を襲ってきたのか審神者は瞬時に考える。



何もしていない、何もやっていない、ただ、ここでハロウィンの催しをしているだけ。



何か思い当たるのか、結界を張りながら審神者は叫ぶ。

「鶴丸!鶴丸を探せ!」

「はっ!」と数振りの刀が返事をし、鶴丸を探しに廊下を駆け出し、大倶利伽羅もそれに合わせてそっと先程の部屋へ戻る。

「…主が探してる」



外の声が聞こえていたのか、鶴丸が時間遡行軍の短刀を首から外して両手に抱えており、すぐ審神者の前に出られるように着物の袖を揺らして立って、不遜な笑みを浮かべていた。



「王子さまがもう呼ばれたか」
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