第4章 片恋をいつか 〔薬研藤四郎〕
※※おまけ※※
夜、一期はそっと雅の部屋を訪ねている。
「薬研がそんな事を?」
雅が日中におきた事を話しているのだ。
「関係ないでしょって言ってしまったけれど、他に言いようあったかなって」
一期は仕方ない、といった面持で雅の頭を撫で、その手を頬へ滑らせる。
「薬研は弟たちの中でも上のほうですから、理解はちゃんと出来ているでしょう」
「…それなら良いんだ。一期、ごめんなさい、誤魔化すような言い方にしてしまって」
雅の謝罪に優しく一期は微笑む。
「そうですね、では、これから貴女には思い切り啼いていただきましょう」
「え…それって…」
考える間もなく、一期にくるりと押し倒され床に縫い付けられる雅。
一期の顔が迫り、雅は今から始まる甘い時間に、心もからだも震わせる。
それでも雅は思う。
薬研、貴方も私を喰べたかったら、貴方の全力で私を振り向かせてみせて、と。
<終>