第27章 かくれんぼ 〔加州清光/R18〕
深紅の瞳と指先の紅い爪が欲情を更に醸し出し、私はまた彼の首に腕を巻き付ける。
「うん…大好き…大好き…大好き…」
加州くんは嬉しそうに美しい微笑みを浮かべると、私の寝間着の衿を片手でぐいと広げ、露わになった胸を包むように手で覆うと揉み出した。
「ああ…雅の顔…もう蕩けてる…ねぇ、その顔、俺だけにしか見せちゃ駄目だよ…?」
「見せないよ…加州くん、だけだもん…」
嬉しそうに笑みを浮かべる加州くんに、何度も好きと伝えても私の愛はまだ伝わらない。
抱かれて深くつながって愛し合って、私の愛は伝えられているのかな。
加州くんが全身で私を求め、私も加州くんを全身で受け入れ、私たちは高みに昇る。
「好き…好き…かしゅ、くん…」
「俺も…愛してる…雅…」
「うん…私も…愛してる…」
「ねぇ、本当はかくれんぼの時、シたくてしかたなかったんだよ」
そう言ったら加州くんは目を見開き、そして目をくるりと一周させるとくつくつ笑った。
「わかった。じゃあ、今度雅が短刀とかくれんぼを始めたら、絶対シようか」
「えっ…それは…でも、どこで…」
「そりゃあ、押し入れに決まってるでしょ。雅、がんばって声抑えてね」
自らハードルの高い情事を希望してしまったようなものだけど、加州くんとならこっそりやるのも燃えるかな、と勝手に想像して、そしてきゅんとからだの中が締まって、加州くんが今すぐ欲しくなってしまったのは…内緒だよ?
<終>