• テキストサイズ

刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第27章 かくれんぼ 〔加州清光/R18〕


自分は肉体的に我慢の出来ない恥ずかしいおんなだったのか、と自分を卑下したくなる気持ちも沸いてきて、どうしよう、みっともない、とも頭の中でぐるぐると考えが沸き起こる。

そんな一日のあれこれを思い出して、一人で考えていたら、廊下から加州くんの声がした。

「主、入っていい?」

「うっ…うん…どうぞ…」

急いで答えると、静かに襖が開いて、同じく寝間着姿の加州くんが黒髪を揺らして入ってきた。

既に彼の瞳は欲情を持ち、私をすぐ襲ってくるような雰囲気だったけれど、加州くんは音もなく私の横にあぐらをかいて座ると、私をぐいと引っ張り自分のあぐらの中に私を包み込んだ。

「か、しゅ…くん?」

横抱きにされて抱き締められる。

顔を私に見えないように肩から胸あたりにうずめているので、どんな表情かわからない。

互いのまだ静かな息遣いだけが聞こえ、しばらくして加州くんが顔をあげた。

「何、考えてた?」

聞かれて私は「え?」と戸惑う。

「かくれんぼの時、最後までしなかったでしょ。あれから今までどうしてた?」

「どうって…」

返事に困ると加州くんは妖艶な笑みを浮かべて言う。

「聞いたよ。かくれんぼも上の空、審神者の仕事も上の空。部屋に籠って何やらごろごろしていたって」
/ 790ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp