第25章 愛して強くなる 〔蜂須賀虎徹/R18〕
「蜂須賀、さん…」
互いに達した余韻の中、抱き合い、名前を呼ぶ。
顔を近付け、軽くキスを繰り返し、蜂須賀さんが先程までの情事とは違う真剣な表情を見せる。
「修行して極めて、必ず雅の許へ戻ってくるから、待っていて欲しい」
「うん、待ってるよ、蜂須賀さんならきっと無事に修行を終えて戻ってきてくれる。信じてる」
私が微笑むと、蜂須賀さんも大きくひと息つくと微笑んだ。
「…もう一度、愛しても良いかな」
蜂須賀さんに囁かれ、私は頬が赤くなるのを感じる。
「嫌って言ったらどうするの?」
私がいたずらっぽく聞くと、蜂須賀さんは困ったような顔を見せた後、色っぽく微笑んだ。
「じゃあ止めようか。貴女の意見を尊重しよう」
「…意地悪」
私が頬を膨らませると、蜂須賀さんが「ははっ…」と声を出して笑い、私にキスする。
「じゃあ、俺に愛されて、雅」
「…はい…」
蜂須賀さんの桃色の髪が一筋はらりと私の顔の横に流れ落ち、そして、端正な顔が真剣な眼差しを含んで近付き、私の唇に触れる。
無事、戻ってきてね、そう思いながら、もう一度蜂須賀さんの胸に包まれる私は、また享楽に堕とされていった…
<終>