第23章 白き鳥の愛夢 〔鶴丸国永/R18〕
俺ももっと奥へ差し込みたくなり、雅の動きを止めさせると、俺がずんと腰を下から突き上げて押し込んだ。
「ふぁっ…」
悦ぶ雅の姿は、今迄見た事が無いような淫雑さを漂わせ、普段皆に見せている姿はまやかしなのかと思う程だ。
ああ、そうか、夜空に飛ぶ白い鳥に惑わされているのか。
白鳥の翼は天の川を巡り、七夕の彦星と織姫にひとときの逢瀬を与えるらしい。
けれど俺たちへは、ひとときの艶めいた逢瀬を降らせ、色ごとに狂わせてくれている。
俺の上で腰を揺らし喘ぐ雅を見ると、一緒に堕ちてしまえ、と思わされる。
天空を渡る白鳥よ、俺たちを悦楽の星へ連れて行け。
俺は下からの突き上げを更に激しくし、雅と共に絶頂を迎える。
「つ…るさ…ん…もぅ…イキ、そ…」
上で揺れる雅の声がぎりぎりの状況を示し、俺も射精に向かって奥へと自分のものを突き上げる。
イク、と小さく叫んで俺のものを締め付ける雅へ、俺は自分の白濁した欲を放つ。
ほんの少量の薬で、こんなに乱れるおんなとは思わなかったが、普段と違う俺しか見る事のない姿を、浅く荒い息を吐く雅を見ながらこの目に出来た事が嬉しくてならない。
「なぁ、また俺とこういう事するか?」
横になりながら問うと、雅は頷く。
そうか、では白き鳥よ、俺たちを七夕と言わず、また愛夢の世界へ堕としてくれれば、俺は喜んでそれを受け入れよう。
<終>