第21章 愛と破壊 〔加州清光/R18〕
「おんしたち、あれを見なくて良かったなぁ。折られた刀剣が消えていく姿っちゅうのは、何とも複雑な気分にさせられるもんじゃ」
その言葉に青江が不気味な笑みを浮かべる。
「あぁ…見えるようだよ…絶叫しながら消えていく刀剣の様子が…」
「…そうか…」
青江の言葉に和泉守が一言嫌そうにぼそりと答える。
外からこんのすけらしい声が聞こえる。
「皆様、お済みでしたらどうぞこちらへ。私共の結界破りもいつまでも保ちません」
「よし、ここから出よう」
順々に結界の割れから外へ全員出ると、管狐たちが霊力を閉ざし、結界が戻っていき、割れが無くなるとまた目に前に見えるのは森という状態に戻った。
本体を折った別部隊と別れたところへ戻ると、大倶利伽羅に率いられた集団が既に戻っているのが見えた。
「全部折ったよ」
笑みを浮かべる後藤に、苦々しい表情を見せるのは明石。
「なかなか本体を折るのを見るのはシュールでしたわ」
「確かにあまり良いものではない」
大倶利伽羅も発言し、それを受けて鯰尾が口を開いた。
「こっちもなかなかえげつない光景でしたよ」
「…だろうな」