• テキストサイズ

刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第21章 愛と破壊 〔加州清光/R18〕


「どこ、行くの?」

出掛けようとしていた主へ声を掛ける。

靴を履いていた主はこちらへ顔を向けて笑顔を見せる。

「審神者の健康診断なの。政府へ行ってくるね」

政府?近侍も連れて行かずに?

俺は疑問に思ってそれを問うと、主はちょっと困ったような表情を浮かべて言う。

「近侍を連れて来ず、一人で来るようにって通達があったんだよね。きっと待ち時間が長くなるから、大勢の刀剣たちが居るとうるさいのかもしれないよ。それに今日の健康診断は、女性の審神者だけみたいだし」

本当は心配だけど、主がそう言うならそうかもしれない。

俺はそのまま主を送り出した。





「主がいない…?」

「政府へ健康診断で出掛けたまま戻って来ないんだ」

「どういう事だ?何故一人でなんだ?」

本丸内で主が戻ってこない事に大騒ぎとなり、最後に玄関で会った俺はいろいろ聞かれる。

俺が知っているのは、近侍を連れず、一人で健康診断の為、政府に出掛けたという事だけ。

さすがに理由が理由でも近侍を連れて行かない、という通達はおかしい、と他の刀剣たちが言い出し、何人かで政府へ行くぞとまで大騒ぎになった。
/ 790ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp