第3章 Je Te Veux 〔大倶利伽羅/R18〕
「あ。鶴丸、大倶利伽羅を見ませんでした?」
廊下を歩く鶴丸に、大倶利伽羅を見掛けたか私は聞いた。
「いぃや、見てないけど…何?」
振り向いた鶴丸は丁寧に私に答えてくれ、私は礼を言って伝言をお願いした。
「ありがとうございます。では見掛けたら伝言をお願い出来ますか?今から私はお風呂に行くので、後程書類確認をお願いします、と」
「わかった、見掛けたら言っておくよ」
鶴丸の返事に私は「お願いします」と言ってその場を後にした。
鶴丸がその後、すぐ台所に居た大倶利伽羅を見掛け、声を掛けてくれたのだが彼に頼まなければ良かった、と後悔しても後の祭りだった。
私はゆったりとした気分で入浴を楽しんでいた。
ここ本丸のお風呂は、男士たちが一緒に入れるように大きく作ってあるため、私一人で入るにはもったいないくらいの大きさ。
だから温泉気分でいつも入れ、ただ難点を言うと大きいからこそ足りなくなるので、『〇〇湯のもと』が使えないって事かな。
それでも高い天井に反響するぴちゃんという水が滴る音を聞いて、のんびりとお湯に漬かっていると、ガラリと風呂場の扉が開いた。
脱衣所から風呂場にやって来たのは、裸の、大倶利伽羅。
どうして?どうして?どうして?