第20章 堕とす射手座の淫猥な矢 〔和泉守兼定/R18〕
射手座とやらよ、俺たちが見えるのか?
見えるならもっと矢を放ってくれねぇか?
絶頂を迎えても足りずに雅をもっと犯したくてしかたない。
どこまで堕つれば俺たちは満足出来るのだろうか。
いや、どれだけ抱いても満足なぞ出来やしない。
愛する人間のおんなはいつか命果てるが、付喪神の俺はほぼ永遠を生きる。
俺を忘れるな、俺は忘れない、そんな想いをこの行為に込める。
「いずみのかみ…っ、すき…っ、あい、して、るぅ…イクぅ…」
「ああ…俺も、だ…」
動きを最大限にし、奥へ奥へと腰を押し進め己の欲望を放ち、主も俺から全てを絞りとろうと絶頂を迎え最大限に膣内を収縮させる。
射手座の矢が俺たちを淫猥へ堕とす。
しかしそれは甘美な罠。
こんな罠なら、何度穿かれてもいいじゃねぇか。
雅、そう、思わないか?
二人の甘い姿を見るのは、障子がほんの少し開いた隙間から覗く、南斗六星を持つ射手座。
精悍なケンタウロスが、視線を変え、自らの矢を飛ばす方向を変える。
放たれた矢は毒さそりを狙う悪魔の矢から愛の矢となる。
そして、二人を貫く。
<終>