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刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第19章 貴方を知りたい 〔同田貫正国〕


「隣、座っていいですか?」

縁側で足をぶらぶらさせて座る、同田貫さんを見掛けて声を掛ける。

「…いいぜ」

ぽつりと一言許可をもらって隣に座り、また話し掛ける。

「先日の出陣は誉を取ってましたね」

「…あぁ…」

ぺらぺら話すかたではないので会話が続かないなぁ、と思いながらもなんとか話しを続けようと私は口を開く。

「その誉を取られたご褒美のようなものを、まだ伺っていませんけれど、何かありますか?」

「…それは誉を取ったやつに必ず聞く事なのか?」

何気なく聞いたことだったけれど、同田貫さんから聞かれ横を向くと、不機嫌そうな彼がいた。

「そういう訳ではありませんけれど…いけませんか?」

「俺は刀だからな、出陣出来れば良い。そして他のやつより相手を斬りたいだけだ。だから誉だろうが何だろうが、俺は特段欲しいとも思っていない」

手柄が欲しいのではない、自分が刀剣だから出陣して斬りたい、と刀本来の理由を述べられ、私は目をぱちくりさせながら同田貫さんを見つめた。

「…なんだ?ずいぶんな間抜け面だな」

私が相当ぽかんとしながら同田貫さんを見ていたらしい。
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