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刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第12章 相容れぬ世界 〔斬鉄剣/R18〕


長谷部はそっと雅の肩を抱くと、かすかに雅が震えているのがわかる。

「主、俺がいつまでもおそばにおりますよ」

「…うん、ありがとう…」

声を掛けた長谷部に、小さく小さく答えた雅はしばらくそのまま動かなかった。

そしてようやく吹っ切れたのか長谷部の顔を見上げる。

「もっと修行するの。そして今回のような事がまた有ったら、せめてこの本丸だけでも斬鉄剣さんのような男士を守れるようになりたい」

「かしこまりました。俺はいつでも主、雅の為におります」

「これからも…よろしくお願いしますね」

雅は長谷部に抱き着くとそのままキスを求め、二人の姿はひとつになる。





そして斬鉄剣の意識は斬鉄剣に戻る。

「今宵の斬鉄剣は一段と良う斬れる」

持ち主の石川五右衛門が白鞘から抜いた斬鉄剣を、一閃させたところで目の前のものが全てはらりと斬り捨てられる。

「またつまらぬものを斬ってしまった」

鞘にぱちりと収められる斬鉄剣、刀の心はそこに有り、持ち主と心を沿わせる。

「主と共に有るのが拙者の本分。拙者はこの斬鉄剣に宿りしもの。ならば主がこの刀を手放すまで共に参ろうぞ」

二次元の世界へ戻った斬鉄剣を、雅はこちらで見る画面から活躍を見、その画面を通して斬鉄剣の意識を感じるのだった。


<終>
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