第12章 相容れぬ世界 〔斬鉄剣/R18〕
「いまのうちぃ。はせべぇ一人でずるうぃ」
他の男士がその隙に雅にくっつき、ごろりと膝枕する。
「あ、こら、膝枕するな」
「やーだよー、やわらかーい、あるじぃ」
雅は苦笑しながら男士の頭をぽんぽんして言う。
「甘えん坊さんですねぇ」
「ずるいなぁ、俺も膝枕したいぞ」
他の男士からいいなぁと声があがる。
わいわいやっているうちに夜も更けていき、お開きとなる。
酔っ払いと短刀たちを部屋へ戻し、元気な者が片付けをし、斬鉄剣が来た祝いは終わる。
「皆さん、ありがとうございました。おつかれさまです、おやすみなさい」
雅が解散の挨拶をし、それぞれの部屋へ戻る。
部屋へ戻った雅は寝間着に着替え布団を敷くと、廊下に人影が見えた。
「…主」
小さく聞こえた声は長谷部のもの。
「…どうぞ」
静かに開いた襖に、やはり着替えた長谷部が現れ、部屋に入って後ろ手で襖を閉める。
無言で近寄る長谷部は、布団の上で座る雅の前に来て座るとぎゅっと雅を抱き締め、そのまま横たえた。