第12章 相容れぬ世界 〔斬鉄剣/R18〕
「なぁんだ、人妻いないんだ」
「斬鉄剣さん、ねぇ、トランプ出来る?」
「たぶん出来るでござる」
「じゃあやろう、やろう」
短刀数人と斬鉄剣で始まったのは、トランプ大会。
神経衰弱に始まり七並べ、大富豪と多様な遊びを始め、他の男士も入って広間が大騒ぎとなるが、斬鉄剣にしてみればこのように大勢と笑いあうのは初めてだった。
「楽しいでござるな」
すっかり慣れて楽しそうに笑う斬鉄剣を見、見守っていた男士たちは一安心する。
そこへ出来た料理を燭台切や歌仙が運んで来た。
「お、じゃあ食卓を並べよう」
わらわらと今度は食事の準備を皆でし、料理と共に食器を運び、全員で支度する。
準備を終えると雅は立ち上がり、皆が飲み物を持っているか確認する。
「みなさーん、飲み物、持ってますかーありますねーじゃあ乾杯しますよー斬鉄剣さん、ようこそ当本丸へいらっしゃいました。これからよろしくお願いしますね。かんぱーい」
雅が声を掛けると、あちらこちらでグラスを合わせ、各食卓がにぎやかになる。
雅は斬鉄剣の側にきて、食べられないものがないか聞く。
「苦手なものってありますか?」
「特に無いでござる」