第12章 相容れぬ世界 〔斬鉄剣/R18〕
「え?聞いた事のない刀が顕現された?」
男士たちはざわめく。
新しい刀が見付かり、主が鍛刀をしたところ、聞いた事のない刀が表れたと近侍の長谷部が知らせてきた。
「今、主が連れて来られる」
長谷部が言うと同時に広間の襖が開き、主が姿を見せる。
「主、新しい刀は…?」
「連れてきました、どうぞ」
主がからだを横に向けると、顕現したての刀が姿を見せた。
さらしを巻いているとはいえ、かなり胸元を開けた着物姿に袴を履いた、細いからだの刀剣男士。
「誰か会った者はいるか…?」
誰かが問うが、誰からも声はあがらない。
「其方、名前は?」
誰かが問うと、新しい刀剣男士は答えた。
「…斬鉄剣」
「…ざんてつけん?」
聞いた事の無い刀の名に、広間はざわめくが、主が口を開く。