第1章 胸騒ぎ
見かねた隆二は、彼女の持っている鞄を持って私たちのキャリーの上に乗せると、キャリーをそのまま引いた。
「あ。隆。ありがとう。。。」少し安心した様な表情を見せる元カノさん。
「お前、相変わらずこんなおもてーバックもちあるいてんの?引きずるのにすりゃーよかったのに。」
「だって、、、。」
「別に、いいけど自分で持てねぇもん持ち歩くなよな。名無しー。いくぞー。」
片手で、キャリーを引いてもう片方の手を差し出してきた。私はその手につかまる。
その時、元カノさんの顔が曇ったのがわかった。
ゆいさん、隆二のこと気になってるんだなぁ。婚約者が自分と同じ一般人なんだもん。きっと、戻りたいって気持ちは無くても、どうして別れたのかかんがえちゃうよね。。
私は、。ゆいさんの事をおもって婚約指輪を外した。