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とある組織の黒い魔女 【名探偵コナン】

第14章 魔女と空白



意識を失くす前に見たジンの瞳は

少し悲しげな色をしていたような気がする








「だから何度も言わせるな。私は全て分かっていた」


かれこれ何時間経っただろうか
この退屈な拷問は…


響きこそ恐ろしい言葉だが
ただ手錠を後ろ手にかけられただけで
血を流すこともなく
同じ事を問われるだけである。


『ウォッカ、いい加減にしてくれ』


「そう言われやしても……』


薄暗い何もない部屋に
ウォッカと二人

部屋の至る所に設置しているカメラでジンも眺めているだろうが
さすがに我慢の限界だ


『ウォッカ!!お前じゃ終わらん!早く出てこい!ジン!!』

一番近くにあるカメラに向かって叫ぶ

「ちょっ、アイリッシュ」


私を静止しようとするウォッカを無視してジンを呼ぶ。
分かっていた事を全て話せというから
FBIの作戦も、それが失敗することも全て分かっていたと正直に話すがどうも伝わらない。
まぁ、ジンの立場からすると今さら言われたところで何故もっと早く言わなかったのかというところではあると思うが…
言ったところで組織に不都合はない
FBI作戦は失敗し、裏切り者である赤井は組織を抜けたのだから


「ウォッカもういい下がれ」


静かに扉が開きやっとジンが出てきた。




『やっと、二人きりだな』

「…お楽しみの時間だぜぇ、アイリッシュ」

ウォッカが席を外し
ジンと二人になった
一瞬で空気が張り詰める


「何故もっと早く言わなかった?」

『言ったところで、運命は変わらなかったからだ』


お互いを見つめ淡々と言葉を交わす


「変わってたかもしれねぇぜ?お前とあの鼠の運命がな」

『変わっていたとしたら、私は死ねたか?』

「いいや、簡単には死なせはしねぇぜ」

『そうか。残念だ』

「お前の命を狩る死神は俺だからな」

ジンはそう言うと同時に私の胸ぐらを掴み顔を近づけた
少々、息苦しい体勢だ

『ほぉ、狩れるものから狩ってみろ』

気管が押されて咳き込みながらも
やっと、口を開けたかと思ったが



すぐにその口は


ジンによって塞がれた。
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