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とある組織の黒い魔女 【名探偵コナン】

第13章 魔女と賭け




1人で寝るには広過ぎるベッド
その中で眠る

このまま、目を覚ますことなく
永遠に眠り続けるとことが出来ないか…


その期待は毎回裏切られる


目を覚ますと見慣れた天井。


『あぁ…まだ生きてるのか』


よっぽど疲れていたのだろう
数日眠っていたらしい。

あの日、三日月だった月が下弦の月へと変わっている。


『満月を拝み損ねたな…』


呑気に独り言を呟けるのは平和な証拠だ。
寝起きの習慣になっている電話の着信を確認
数件の着信があった
だいたい誰かは決まっている

あの人かジンかベルモット

とりあえず
あの人にはしっかりとまだ生きていることを伝えた。

続いてジンとベルモットだが…
折り返しをするか迷っていたところに新たな着信が入る。

私が仮にも再び逢う事が楽しみだと思ったライからだ。

『私だ』

「アイリッシュ、例の件だ。今から大丈夫か?」

『あぁ、構わん。しかし、今しがた目覚めたところだ』

「問題がなければ迎えに行こう」

『問題?そんなものない。場所を教える。一度しか言わんからな』


現在の私の居場所
転々とし過ぎてごく僅かな人間しか知らない特別な情報だ。
しかし
ライに教えたところで特に問題はない。
暗記している住所をひと息で言い切った。

『迷子になるなよ?表に出て待っている』

「わかった」


ライとの二度目の電話は
あちらから切られた。


短い通話時間
ただ、要件を伝えるだけの内容だ

ライと言葉を交わし
前回は楽しみだと思ったが
今回は楽しみだとは思わなかった
やはり
楽しみという感情は言葉の綾のようなものに過ぎなかったようだ。



そんな事を考えながら身支度をしていたせいで
いつもより長く時間がかかってしまった。


そろそろだろうか


地上に降りるためにエレベーターを待つ


遅いな


いつもはこんなに遅くないはず…



不思議なことに時間の感覚がおかしい
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