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とある組織の黒い魔女 【名探偵コナン】

第11章 魔女と太陽




太陽の下では
皆平等だ。






暑い…


暑過ぎる


溶けそうだ。




体力と戦力が完全に回復するまでに
およそ半年はかかっただろう

長い休暇だった


暗殺は全て断り
真っ暗な部屋の中で眠り続けた。


目覚めたのはあの人とジンからの電話だけ
生存確認だろう



それにしても
久しぶりの太陽は眩し過ぎる。

日傘にサングラス
周りの人間は肌を露出しているが
私だけ長袖に暗色のパンツだ。
手には日傘と紙袋


歩みを進めては
室内が暗めの店に入り休憩を取り
歩みを進め
また、休憩を取る


愛車を飛ばせば良かったと
後悔しても今更だ。

タクシーは話すのが面倒で使わないと誓っていたが
呑気な事を考えている余裕はなさそうだ。

しかし
こんな時に限ってタクシーは捕まらない。


ダメだ。
限界だ。


足元がふらりとよろめく


「大丈夫ですか?」


知らない女の声
太陽が良く似合う可愛らしい学生が私の肩を支え寄り添うように立っていた。
視えた名前は毛利蘭…
私とは対照的な人種だ。

『すまない、少し暑さが苦手で…』


暑さよりも
この日差しが苦痛である。

「大丈夫ですか?」

また違う若さ溢れる男の声
男子学生が女学生と共に私を支えた。
よく見ると前に読んだ小説の作者に似た顔をしている。


『大丈夫だ、目的地はすぐそこだ。歩ける』

私は先を急ぐように自らの体を支えている腕から離れた。


「お姉さん、嘘はいけません。この暑さの中まったく汗をかいていない、体温も高い、自分では気付いてないみたいですが足が痙攣してます。これは完全に熱中症の症状ですよ?」


なんだこの学生は…
女学生と共に私の体を支えているだけだと思っていたが
洞察力が高い


『お前、よく似ていると思ったが工藤優作の息子か?』

反則技だと思いながら男子学生を視た。
やはりなと確信する。
工藤新一。

「「えっ!?」」


寝耳に水と言わんばかりの表情を浮かべる2人
お似合いだ。


『大丈夫だ。ありがとう。お前たちが言う通り熱中症とやらかもしれん。あそこの喫茶店で休むことにする』


しっかりと休むと伝えたが
絶対ですよ!!
と口を揃えて念を押された。
まったく夫婦のようにお似合いの2人だ。
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