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とある組織の黒い魔女 【名探偵コナン】

第10章   魔女と炎




嘘も真実も

黒く塗り固めれば良い




不意打ちだった

まさか

唇を重ねてくるとは


アイリッシュ



お前は本当に男を狂わす魔女だ




最後に妖艶な笑みを浮かべ足早に去っていく女


初めは、あの方のお気に入りだというから
どんな女なのかと近付いた。


女の任務や言動を監視する。


そして
分かったこと


それは


その女は不老不死だということだ。

どんなに撃たれても
どんなに燃やされても
どんなに傷付けられても死なない女


しかし
女は言った。


『ジン、私は死なないんじゃない。死ねないんだ』


そう言う女の顔はどこか暗い影を帯びていた。



過去の話も聞き出した。

昔、串刺しにされただの蜂の巣にされただの火炙りにされただの

女が話すのは自身が殺された時の話ばかりだ。



チッ、柄にもない。
1人の女のことを考えるなんて俺らしくねぇ




煙草に火をつけ深く吸い込む
肺が支配される感覚



今夜の任務もそうだ。
後になってアイリッシュが狙われている事を知り
気付いたら車を走らせていた。




裸のアイリッシュが
バーボンに抱かれて燃え盛る館から出てきた時



ピクリとも動かない女を見た時





今でも忘れられねぇ



不老不死の魔女が
アイリッシュが
死んだ
という恐怖が自身を支配した




もう、自分にはなくなったと思っていた恐怖という感情が蘇った。



なぜ、アイリッシュが死ぬ事を
俺はこんなにも恐れているのか。


どうやら
俺も魔女に狂わされた1人のようだ。



冷静を装い声をかけると
やはり不死魔女だ
女は生きていた。



バーボンからアイリッシュを奪い取り
手中に収める




暗闇に消えていく女


誰にも渡さねぇ



あの方のお気に入りだろうが
構やしねぇ



お前は



俺の女だろう?



アイリッシュ



お前が魔女なら

俺は死神にでもなってやろうじゃねぇーか。



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