第2章 魔女とスナイパー
面倒なことになった・・・。
この上ない面倒なことだ・・・。
これまで
不老不死の体というのを良いことに
数々の敵対する組織を潰してきたが
今回は、同行者がいる。
しかも、なかなか頭の良い男のようだ。
このライとか言う男に私の正体がバレてしまったら
後々、さらに面倒なことになるのではないか・・・・。
アイリッシュは愛車である鮮やかな紺碧のマクラーレン720S Spiderのバンドルを握り締めながら考えていた。
自然とアクセルを深く踏み込んでしまう
が
すぐに足が浮かぶ。
『はぁ・・・
でも、まぁ、いっか・・・
面倒なことを考えても面倒なだけだし。
バレた時はバレた時でどうにでもなる』
何百年と生きてきて
分かっていることのひとつ
それが
考えても解決しないときは考えない。
これに限る。
アイリッシュは自宅へ帰ると、愛用の銃と
以前、侍と呼ばれる者から譲り受けた刀の手入れを始めた。
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魔女とスナイパー ②魔女の思考