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とある組織の黒い魔女 【名探偵コナン】

第2章   魔女とスナイパー






暗い部屋



今日は満月
月の光だけが部屋を照らす。




「アイリッシュ久しぶりだな」


『ジン、お前もとうとう私を呼び出せる程の地位になったのか』


フフッと不敵な笑みを浮かべるアイリッシュと呼ばれた女。


漆黒の髪に、黄金の瞳


それはまるで、今日の夜空のようだった。










『今日はなんだ?急に呼び出しておいて、ただ私に逢いたかっただけとか言うんじゃないだろう?』



いたずらな笑みを浮かべアイリッシュはじっと
ジンと呼ばれた黒ずくめの男を見上げる。



「ボスからお前に紹介するように言われた男がいてな」



ククッと喉を鳴らしジンは続けた


「今回の任務お前ひとりではとあの方が心配して同行者をつけることになった」



『私ひとりで十分だ。何を今更・・・同行者なんて迷惑なだけだ』


アイリッシュはくるりとジンに背を向けその場を去ろうとした。
しかし、目の前にまたひとり別の男がいることに気づく。



「今、お前の目の前にいる男が同行者だ」


ジンに言われ不機嫌な顔のままアイリッシュは視線を上げた。




細身の体


しかし、すぐに分かる。


鍛錬を重ねた体だと・・・


少々の鍛錬ではない


長く鍛え抜かれた体。


一瞬の夜風に揺れた



黒く長い髪



そして、月明かりに照らされみえてくる



整った顔立ちに


切れ長の瞳





この男、スナイパーか
アイリッシュは確信した。



『私を殺 すためのスナイパーか?ジン?』



冗談を言うようにジンに問いかける。



「そうなるかもしれないな」



その問いにジンも冗談を言うように返した。












冗談なのか本気なのか





どこまでが真実で




どこまでが偽りなのか





この組織では全て黒で塗りつぶされていて





判断ができない。








でも、それが

私にとって

心地よかった。







後に「ライ」と紹介されたその長髪男は





「よろしく」とだけ言い残し





その場を後にした。




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魔女とスナイパー①




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