• テキストサイズ

とある組織の黒い魔女 【名探偵コナン】

第5章   魔女と酒







『なぁー赤井ぃーーーーー』


先程

本名を言われてから

ずっと、この調子で俺のことを赤井と呼んでくる魔女は
あっという間に、バーボンを一瓶空け
気持ち良さそうに酔っ払っている。



『おい、赤井ぃー聞いているのか?』



俗に言う絡み酒
やたら、俺の名を呼んでは楽しそうに笑みを浮かべている。



「なんだ?話なら聞いている。それよりも早く服を着ないか・・・」


相変わらす、バスタオルを巻いただけの状態
顔は赤く染まり
少し乾きかけてはいるが濡れた髪

酔っているのに
飲み方だけは綺麗で
グラスに寄せる色気のある口元に魅入ってしまう。



『一度きた服は洗うまで着たくない』


わがままな魔女だ。


「・・・俺の服で良いなら貸すが」


『赤井の服なら借りてやっても良いぞ』


ニヤニヤと笑う魔女
まったく、どこまで調子が良いのか


『赤井ぃ、お前は本当に優しい人間だな』

アイリッシュはそう言いながら突然ゆらりと立ち上がり
俺に顔を近づけた。



『お前のその優しさが、いつかお前を殺 すぞ?』


額と額を合わせ
酒のせいで熱くなった吐息と共に
アイリッシュから送られた言葉


胸のどこかを抉られる様な感じがあった。



「そうだな、その優しさで俺が死ぬときはお前に殺 されるときだな」



予想外の返答だったのだろう
驚いた顔をみせるアイリッシュ




『ふん・・・バカな男だ』



お互いに目を合わせ微笑む


そして



どちらからかわからない接吻を交わした。




ーーーーーーーーーーーーー


魔女と酒        ①バカな男
/ 88ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp