第3章 6つの笑顔
ボールの跳ねる音、バッシュの擦れる音。
そして飛び交う部員達の声。
私の大好きな時間が始まっている。
「とにかく。…テツくんから目をはなさないようにしなきゃ。」
様子が可笑しかったらすぐ声をかけるっ。
ちゃんと約束守らなきゃ。
桃「弥生?テツくんがどうかした…?」
「きゃっ!…もう、びっくりさせないでよ。」
ふいに現れた、整った顔。
テツくんばかり見てたから驚いちゃった…。
さっちゃんは不思議そうに首をかしげる。
桃「だって、ずっとテツくん見てるんだもの!」
「そ、それは…。…う~んと。」
あぁもう!可愛すぎるぞ、さっちゃん!
桃「もしかして!テツくんのこと好き、なの?」
「…へ?!違うっ。絶対ないから!」
桃「ダメダメっ。絶対ダメ~!」
違うって言ってるのに…。
誰もさっちゃんの好きな人なんて取らないよ!
そんなに慌てなくても…!
黄「ダメッス!絶対ダメっ。」
「涼ちゃんまで…。違うって言ってるでしょ!」
いつの間にか話に入ってるし…。
ちゃんと練習しなよ~。
青「…テツ、ちょっとツラ貸せよ。」
赤「表ではバレる。裏に行こう。」
なんで二人まで怒ってるの!
「真ちゃん、止めて!副部長でしょっ。」
赤「…真太郎…?」
緑「すまん…弥生、黒子。」
征ちゃんに負けた…!
違うって何回言えばいいの!!
「違う!えっと……。」
紫「弥生ちん、お菓子いる~?」
むっくんはマイペースすぎるよ!
「…そうだ。私はむっくんが好きなの!」
これでどうだ!テツくん、もう大丈夫だよ!
…あれ?みんな固まってる。
「「…………え?」」
紫「わーい。ラブラブ~。」