第9章 丸めたチョコの表面に、コーティング用チョコを塗ります
しばらく休んで、お水を飲んで、チョコを食べて、それから私はこう言った。
「今度は私が上になる」
秋也くんは少し苦笑しながら
「疲れてるのに、大丈夫ですか?」
と聞いた。
「大丈夫、チョコ食べたらなんか元気出た!それより、私の方が歳上なのにやられっぱなしっていうのが気に食わないの。それに…私は何回も気持ちよくなってるけど、秋也くんまだ一度もイってないでしょ?」
そうなのだ。秋也くんは一度も出してない。もしや遅漏か?下手じゃないからいいんだけど。
遅漏の人と前に付き合ったことあるけど、あれは疲れるだけで嫌だったなあ。でも秋也くんは全然そんなんじゃない。
「ん?ていうかなんで秋也くんはそんなにセックス上手いんだろ。本当に高校生?」
「はは…嫌だなあ、正真正銘高校生ですよ。上手って言ってもらえて嬉しいです。オレとしてはいっぱいいっぱいで…本当にこれでいいのかなってヒヤヒヤしてますよ。でも有さんのことを思ってたくさん練習したかいがあったかなあ…」
「れ、練習?」
「あ、他の人を抱いたって意味じゃないですよ。オレ、有さんに一目惚れしてからは有さん一筋なので」
「そそそそうなの?」
「はい。初めて会った時からずっと」
「初めてって、小学生だったよね」
「そうです。その時からオレは、ずうっと有さんの虜で、有さんのことだけ考えて生きてきました」
「おおげさじゃない…?」
「おおげさじゃないです!」
秋也くんは少し大きな声を出すと、切なげな顔をして、私に抱きついた。