第7章 冷えたチョコを手で丸めます
ドスン、と腰がベッドの上に落ちた。脚がガクガクして言うことを聞かない。
「はぁーっ…は…。はぁ…」
荒い息で酸素を取り込んだ。こんな短時間で2回もイかされたら、ヘトヘトにもなる。
「大丈夫ですか?息、荒いですね」
秋也くんは私の頭を2,3度撫でると、「ちょっと待っててください」と言って寝室から出ていった。
何かゴトゴトと音がする。冷蔵庫を開け締めしている?
それからほどなくして、彼はミネラルウォーターとコップを抱えて戻ってきた。ついでに顔も洗ったのか、少し前髪と襟元が濡れている。
「勝手に漁って、ごめんなさい」
そう言いながら、コップに水を注いで渡してくれた。
「美味しいですか?」
「美味しい」
「そうですか」
そうしてニコニコ笑っていたかと思うと、またトリュフチョコをひと粒取り出して、差し出してきた。
う〜ん、なんだろう…この子。なんだろうなあ。
嫌な気持ちはしない。
アーンと口を開けると、チョコレートがしっかりと押し込まれた。
やわい。甘い。とろける。甘い。
私がコップを手渡すと、秋也くんはナイトテーブル上の時計やヌイグルミを丁寧に整頓し、水のボトルとコップを安置した。律儀な子だ。
私は秋也くんに向かって両腕を伸ばした。秋也くんは一瞬目をパチクリさせたけど、すぐににっこり笑って私を抱きしめてくれた。そのまま2人でベッドに倒れ込んだ。