第5章 チョコをスプーンなどですくい、一口サイズに分けます
「んっ…ふぅ…んふ…」
ぺちゃぺちゃと、音が頭の中で鳴る。長いキスだった。
秋也くんとのキスはずっとチョコレートの味がした。生クリームの混じった、とろけるような甘さ。不思議な感じだった。
秋也くんは私の上着の裾に手を潜らせてきた。火照ったお腹に、秋也くんの硬い手のひらが触れる感覚がした。
「っ!…ちょ、まっ…って!」
私は慌てて身をよじり、彼から逃れた。
あぶない!流されてる!ダメダメダメ!
「だ、ダメだって、こういうこと…ねえ、秋也くん、もうやめよ!ご両親には黙っててあげるから!」
私がそう言うと、秋也くんは眉間にシワを寄せた。
「何でですか?」
「だから、私は結婚してて、キミは高校生で!当たり前でしょ!」
「でも、有さんはしたいでしょう?」
「ハァーン!?しししたくないですけド!?」
びっくりして声が裏返った。
「嘘だ。有さんはしたいはずですよ。有さん、欲求不満ですよね」
「ハァーン!?ちょ、お、なん、おっ!?」
「有さんはセックスレスですよね。旦那さんとは2年もしてないでしょう?」