第3章 生クリームと刻んだチョコを混ぜ合わせます
秋也くんは小袋や紙箱、リボンの類を次々と取り出した。
「すごいたくさん買ってきたねえ」
「どれが気に入ってもらえるのか、よくわからなくて」
「気合入ってるう。こんなにあると、どれを使おうか迷っちゃうね」
「有さん、選んでください」
「ええっダメだよ私が選んじゃ!あげるのは秋也くんなんだから!」
「でも…正直オレ、女性がどんなものを好むか、とかよく分からないんです。やっぱりリボンとか、ピンクとか、そういうのかなと思って買っては来たんですけど、ここからさらに選べって言われるともうお手上げで。有さんが選んでくれたものなら、自信もって渡せます。お願いしますっ」
秋也くんは両手を合わせて私に懇願してきた。
う〜んもう、そんなに頼られるとまいっちゃうな。しょうがない!知恵を貸してしんぜましょう!
「相手の子の好みとか、わからないの?」
「可愛らしいものが好きみたいです。ピンクとか赤系の…。あとは花、ですかね」
「ふむふむ」
なるほど、クール系とかでなくてよかった。そうなると私にもよくわかんないから。
というか、渡す相手は女の子なんだね。
いや〜ちょっとね、考えてたんだよね、ほら最近そういうのよく聞くじゃない?男の子同士、とかさ。いや〜違うのか〜そうかそうか〜。
「じゃあやっぱりこのリボンかな?ん〜でもこのマステも使いたいよね!いっそ個包装しちゃおうか!ん〜でもピックも捨てがたいしな〜」
あーでもないこーでもないと、1人でテンションアゲアゲの私。秋也くんはそんな私を見て、ただ楽しそうに微笑んでいた。