第12章 シラス
「あの、よくわかんなかったんだけど…。小さくて可愛かったから、これがいいなって思って…」
「あ、ルアーか!『幻影シラス』…あ、メバル釣れるんだ!へ~、カワイイね」
「でしょ?」
「ふふっ。ありがと。超嬉しい♪」
「…良かった、渡せて(笑)」
あの。えっとね、ルアーなの。5センチくらいかな。針ついてて、見た目もシラスっぽくて…。うわ、マジ嬉しいぞコレ。疑似餌だしピッチピチしてなかったけど…
“箱開けたらシラス”、超嬉しいわ、相葉ちゃん!!
「ルアーっていろいろあるんですね。なんか虫っぽいのとかあってびっくりしちゃった。すごいリアル」
「うん。なんせ魚を騙すワケだから」
「ふふ。ニセモノだけど、釣れるんですか?」
「釣れる!そこはね。…腕次第♪」
「そうなんだ(笑)」
「そうそう。…葉月をこうして釣り上げたのも、俺の腕がいいからです」
「…ふふっ」
「…」
「…」
「…葉月」
「…んっ。…ぅ…」
…みたいな。ことがありまして。ええ。