第1章 君がくれたもの
バレンタインに葉月がくれた謎の石ころ。
それは呪いじゃなくて、想いがたっぷりこもった石だった。“想い”のカタマリ。
…うん。言うたらアレ、葉月のハートなんだよ。ハートそのもの。葉月はハートをそのまま俺にくれたの。つまり、そういうことなのかなって。だから俺も、自分のハートを返したいなって。
や、だからあの日葉月を抱いたってワケじゃないんだけど…。アレはまあ、なりゆきっていうか、衝動っていうか、もうどうしようもないっていうか…。
とにかく!俺もね、気持ちは返しましたよ。ええ。とりあえず。想いは同じだってことを、早くちゃんと伝えたかったから。フライングだの何だの、外野にね、やいやい言われたけども。確かにフライングだったけど。いろいろ。いろんな意味で。まだ二月だったし。
でも、やっぱりさ。何か、見える形っていうか。俺も何かに想いをこめて、それを贈りたいなって。俺のハートをね?ちゃんと。改めて…ホワイトデーに。
3月14日が近くなってくると、やっぱりそう思うようになって。
でも…
問題が、ひとつ。