第8章 初めての朝
「…ねえ」
「はいぃっ!?」
…え、敬語?いまさら?
え。まさかと思うけど…
「…あのさ。記憶ないとか…言わないよね?」
「…」
「ねえって。葉月?さすがにヘコむよ?俺。それは」
「…あります、けど…」
とりあえず…ホッ!敬語なのが怖いけど、ホッ!!
「…でも、夢かなって」
「現実です!!」
「…ホントですか?…全部?」
「全部!現実!!だって。…ホラ。お互いまだ…」
まだスッパですよ?
「そ、そう、なんですけど…」
「いや、そうなんだって!ほらっ!ねっ?」
「やぁっ!めくらないでっ!!」
そんな…真っ赤なりんごみたいなほっぺしたら。ダメだよ。また変な気になってきちゃうでしょーが。そんな、茹った顔で、すげー恥ずかしそうにコッチ見上げたり、されたら…。