第2章 ある少年の話
俺の家は 大きな土地を持つ地主で、すずめはその土地に住む貧乏人だった。
「おいコラすずめ!てめえ何してんだ!」
「何って………魚を取ってるんですよ。爆豪様」
赤ん坊を背負って、川に入る俺と年の変わらない女。
浅瀬でそんなに魚が獲れるわけでもないのにすずめは小さな籠に獲れた魚を片っ端から入れていた。
「んなので腹が膨れるかよ。おら、寄越せ」
「え、でも」
「でもじゃねえ!いいから寄越せっつってんだよこの附子!!」
籠を取り上げ、上流へと駆け上がっていく。
それが、俺たちの日常。
ずっと続くと信じていた。