第3章 大体忘れる事ってどうでも良いけど…凄く重要だったわ
人生というのは何が起こるか解らないものだ。
普通に歩いていたら飲酒運転の車が突っ込んできた。
幸いにも打ち所は良かったらしく今もこうして息をしている。
ぼっーと病室の天井を眺めながらふとそう思った。
すると控えめなノックのあとに「失礼するよ」という声と共に先生らしき人が入ってきた。先生は私を見るなり少し驚いた。
話を聞くとどうやら私は3日も眠っていたらしい。
「いまご家族の方を呼んでくるから待っていてね」
そう言って外に出る先生。
その瞬間、肩の力が抜けて大きなため息を吐いてしまった。
私は今とてつもなく焦っている。
理由?それは……
前世の記憶を思い出してしまったからだ。
いや、思い出した……で表現があっているのかはわからないが。
よく転生トリップとかでは幼い日から自分の記憶が引き継がれてる場合が多い。
だが私の場合はこの事故で3日間寝ていたのが引き金となって思い出してしまった。
それに記憶を思い出す前の記憶もご丁寧にある。
幼少期、誰と過ごしそして今、誰と暮らしているのかも。
そして、今から来るご家族も誰なのかも勿論わかるようで…………