第10章 まほうつかいとしろいねこ
あんまり代わり映えしない学校生活。
何時ものように授業をサボって秘密の部屋に行く…と、思ったが今日はなんとなく学院内を歩いてみようと思った。
まぁ、師匠のお陰で知らない場所なんてないけど。
先生たちに見つからないように色んな場所を歩く。
その時、茂みからガサッと音がした。
「誰かいるノ?」
そう問いかけてみるが返事は来ない。
好奇心でその茂みに近づいて中を覗く。
「っ!」
いつもと変わらない情景。
でも、ボクは思わず息を呑んだ。
そこに居たのは真っ白な女の子だ。夢ノ咲学院の制服を着ているしこの校舎に居るから多分噂のプロデュース科の子だろう。
その少女は三匹の子猫と一緒に丸まって寝ている。
近くに居た母猫から少し威嚇されたがボクが何も害を加えないことを理解すると大人しくなった。
一歩、また一歩と少女に近づくが全く起きる気配がない。
「こんな所で寝ていると風邪をひいてしまうヨ?」
意味がないとはわかっていてもその少女に話しかけてみるが全く起きる気配がない。
近くまで行って少女を眺める。綺麗な白髪に長いまつげ。宗にいさんが居れば絶対この子は最高の人形になるだろう。
なんとなく、その子の隣に腰を掛けた。