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【黒子のバスケ】短編集

第7章 人事を尽くして天命を待つ 【緑間真太郎】


本当に俺は幸せだ


こんな風に思ってくれる妻がこの世に何人いるのか




そこにあった短冊に俺も願い事を書き込んだ

【4人家族になりたいのだよ】



笹の葉にそれを結び付けると待ちきれなかった腕をその場でつばきの体に巻き付けた


深くつながるキスをしてから強く抱きしめるとつばきが優しい声で教えてくれた




「あたしたち3人とも願い事が一緒なの。家族っていいね」


息子は弟か妹が欲しいとあの狸に頼んでいたらしい

あれはあくまでラッキーアイテムで願い事を叶えてくれるものではないのにそのけなげな姿を思い浮かべるだけで可愛くてたまらなかった


もう一人子供が増えて二人であの狸にお願い事をする姿を想像すると一日も早くそれを現実のものにしたくなった



「お前たちが家族で俺は幸せなのだよ」


その言葉を最後につばきを抱き上げて夫婦の寝室に入るとさっき着たばかりのパジャマを互いに乱した



生まれたままの姿になって愛を確かめ合うこの行為


それによって愛の結晶がこの世に誕生する



当たり前のことかもしれないが…不思議で神秘的でならない





しんっ……たろっ……

あっ……



俺にだけ聞かせてくれる甘い声に下半身が崩れそうになる程の快感が襲ってきて無意識に深くなる


小さく震える脚、奥へ奥へと俺を引き込む温かくて柔らかいヒダ


包み込むような優しい締め付けに耐えられず欲の全てを吐き出すとそのままつばきに体重をかけた




はぁっ…はぁっ…はぁっ………

はぁっ…はぁっ……


荒い呼吸が重なって繋がったまま火照る素肌が触れ合う



「ねぇ…真太郎?」

「どうしたのだよ」

「来年は4人で七夕したいね」

「あぁ。そうだな」



すぐに妊娠できるかといえばそうでないことは分かっている
現に一人目を授かるまでも思ったよりも時間がかかった
それでも来年は4人で過ごしたい


まだいくらでもで入っていたがるそれをつばきから引き抜いてこぼれ出る欲をそっと拭った


息子が泣いたら慌てることになるだろうが今はできるだけ体温を分け合いたい

パジャマをつけないまま抱き合ってまどろみながら過ごす残りの誕生日は俺の心を幸せで満たしてくれた



「真太郎、お誕生日おめでとう」

「愛しているのだよ」
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