第4章 ココアよりも甘く 【日向順平】
今俺は最近付き合ったばっかりの彼女つばきと俺の部屋でいわゆるお家デートってやつをしてる。
本当は外に出かける予定だったのに練習で足を痛めた俺を気遣って家に来てくれた。
そんで家に人が来たら飲みもんくれぇ出すのが礼儀だからスティックタイプの簡単に入れられるちょっと甘めのホットドリンクを用意した
カフェラテ、ティーラテ、抹茶、ココア
「つばきどれがいい?」
「順平は?」
「俺は普通にブラックだな」
「じゃああたしココアにするー」
俺は甘い飲み物はあんまり飲まねぇからブラックだけど甘いもの好きのつばきには甘い飲み物を用意した。
「ねぇねぇブラックっておいしいの?」
「うめぇよ」
俺はうまいと思って飲んでるから正直にそう答えた。
「順平」
「んー?」
「ちょっと頂戴」
はっ!?そんなことしたら…間接…キキキキスになっちまうじゃねぇか!
俺は正直その手の行為は無縁でつばきともまだキスすらできてねぇ。
でもここでそんなに意識してたら先になんて進めねぇよな…
キスは俺だってしたいと思ってる。
「ならつばきの飲んでるのもちょっとくんね?」
「あ…うんいけど」
カップを交換して俺がつばきのカップを持ってココアを一口飲みながらつばきの顔を盗み見ようと視線を上げると俺のコーヒーを飲んでるつばきと目が合った
お互いに目を反らさずにカップを置いて自然と距離が近づく。
ちゅ…
軽く触れるだけのキスをして少し離れたけどつばきの閉じた目と少し開いた唇に吸い寄せられるようにもう一度そっと重ねて少しだけ舌を滑り込ませた
んっ…じゅん…ぺ
やり方なんて全然分かんねぇけどとにかく優しくつばきの口内にゆっくり自分の舌を這わせる
ちゅ…っちゅ…
夢中になりすぎてつばきが少し苦しそうなことに気付いてやれなくて胸をトントンと叩かれた
「わ、悪い…」
「ううん。謝らないで。…嬉しかった」
下に向いて小さく気持ちを伝えてくれたつばきが可愛くてそっと抱きしめたら俺にゆっくり腕を回してくれた