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【黒子のバスケ】短編集

第14章 Pledge【青峰大輝】


機転の利く大河内が仲居の対応すべてを完璧にこなしてくれて、これから料理を提供するって仲居が部屋を出ていった。

「せんせーって淡路島来たことあんの?」

「ありません。なので、ちょっと調べて楽しそうだなと思うところを言いました」

捜査に同行してくれって誘ったからなんだろうけど、めちゃくちゃキレるな……
女のバディは組んだことがねぇけど、こういう捜査はこうやって色んな気の回る人間がいてくれるとすげぇありがてぇ。





賢くて機転が利いて、相手を気遣えて、落ち着きがある。
派手ではねぇけど地味でもなくて、冷静だけど冷然ではなくて
たまに見せるちょっと笑った顔とか、ふとした言葉とか、女らしさと可愛いさがちゃんとある。



「イルカ行くか」

「え、でも仕事ありますよね?」

「まだ派手に動けねぇし、時間なら調整すっから」

時間を調整してでも大河内がしたいことを一緒にしてぇって思った。
本気で一緒に居たいと思えば、自分の口からこんな言葉が出せるんだって今知った。

仕事がある
休めねぇ
呼ばれたから行く

確かにそう言わざるを得ねぇときもあるけど、そうじゃねぇ時だってあったような気がする。



「いいんですか?」

「あぁ」

「ありがとうございます。嬉しいです」


大河内がなんで離婚したかなんて分からねぇけど、今既婚者じゃねぇってことは俺にとっては好都合だった。

今すぐ何かしようとか、どうこうなりてぇって事じゃねえけど、既婚者だったら最初から無理だ。

離婚歴は全く気にしねぇけど、既婚者はそもそも好きになる事はねぇ。






セットされたテーブルに料理が運ばれて、お互いに選んだコースに箸をつけた。

たまに研究室で一緒にテイクアウト食うとかあったけど、しっかりした飯を一緒に食うのは初めて。


「ふぐ食べますか?」

「うまい?」

「とても」

結局、それぞれのを食ったのは先付けだけで、それ以外は海鮮が好きらしい大河内と全部分け合って一緒に食った。

一緒に食ってるとなんとなくいつもそうなる。

大河内は腹いっぱいで締めの雑炊が食えなくて、俺が全部食って、デザートの果物だけは綺麗に食い切ってたから、1番美味いって食ってた桃をやった。


「足りました?」

「足りた。うまかったな」

「はい。大満足です」


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