第2章 ヘルズ・バレンタイン
だが多少の温情は貰えたようなのでペールに急いで足の縄を
切ってもらい、椅子に括り付けられたままエルヴィンと
ミケはチョコレート像に突進アタックをかました。
無論、時間が無かったので前方に居た兵士諸共だったので
ドミノ倒し状態になってしまったが、そんな事を気にしている
場合ではなかったので無視してチョコレート像の下半身に
噛みつき、そこだけを何とか口の中に咀嚼出来た。
エルヴィン団長とミケ分隊長が鬼気迫るオーラでチョコレートを
咀嚼している様は異様だったかもしれないが、他人に自分の
ブツを晒すよりマシだ。
も結局こうしてギリギリ自分達の手で現状を
打破出来るようにしてくれていた辺り、本気では
無かったのかもしれない。
そう思いながら口の中のチョコレートを飲み込んだが、
甘かった。
チョコレートではなく、甘い考えだったという意味で。
やはりは激怒していたのだと思い知る羽目になった。
は大きなトランクを机の上に出し、
「こんな妨害工作もあろうかと、こやつらのブツには取り外し
交換用のスペアを用意してあってな」
とそれを開いた。
そのトランクの中には大小様々の性器型チョコが10個程
鎮座しておりエルヴィン達は勿論、他の兵士達も絶句した。
暫しの沈黙が流れた後、一人の兵士が「あれ・・・?」と
疑問を口にする。
「このトランクの中には10個入ってますけど、どれが
団長や兵長、ミケ分隊長のなんですか?大きいのもあるけど、
小さすぎのものあるですが・・・」
・・・確かに。
全員がそういう疑問を抱きながらトランクの中のチョコを
凝視していると、また極悪面になったが説明を始めた。