第8章 目的
「っだからって武器を売っていいわけじゃない!!」
「そうだ、お前のやり方は間違ってる」
「……本当にそう思うかい?」
男が武器商人であると確定した今。緑谷と轟は紛争を悪化させるその方法を否定した
だが、男はニヤリと笑って見せた後、自身の指にはめている指輪を触ってみせた
「ヒーローの助けも来ないから自分達で戦わなければならない、だから彼らには武器が必要なんだ。ただ私はその手助けをしているだけ……欲しいものを与えているんだ、そして彼らも喜んで支援を受ける」
平等で良い関係だろう?
そう言った男は黒服の部下に話しかけスーツケースを机の上に置くように指示をした
「ここに入ってあるのは君たちが一生遊んで暮らせるほどの金額だ。好きに使ってくれて構わない」
「…そんな物で協力するとでも思っているのか」
「無論、これだけではないよ……おい」
《お呼びでしょうか、ボス》
「っ誰だ!?」
音もなく聞こえたその機会のような声に緑谷たちはいつでも対応できるよう戦闘体制をとった
「そんなに驚かないでくれ…言っただろう?皆さんの目的は私ではないと」
「じゃあ…まさか!」
「勘がいいなヒーローデク。あぁそうさ、これこそが今までになかった最新の武器…いや、武器と呼ぶのは相応しくないな」
男が先程から触れていた指輪をゆっくりと外した。そして、それを摘まむとニヒルな笑みを浮かべながら緑谷たちを見た
「今この世界で暗躍するために最も必要なものは何だ。金か?武器か?それとも人脈か?…どれも違う。今最も必要とされているのは情報さ。より多くの情報を持っている奴がこの世界を支配出来る。……そしてこの指輪こそがそれを可能にしてくれる」
外した指輪の輪から光が溢れた。そしてその中心には人の形をした何かが映っている
「!?そいつは、」
「…あぁ、そう言えば彼を捕まえたのは君だったねショート。改めて紹介するよ」
彼はこの世界の最高傑作であり私の駒
全ての情報を引き出すことができる天才的ハッカーだ