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The one that got away.

第5章 恋人(仮)作戦





《女性に乱暴はいけませんMr.バクゴー》

「うるせえな俺はコイツに!!……誰だ!?」


爆豪は突然聞こえた声に焦り回りを見渡すも誰もいない。だが声は確かに聞こえる。そしてそれが凛のブレスレットからだと気がついた


『ジェイ…貴方勝手に出てきたわね』

《申し訳ございません。sirの心拍数の上昇を確認しました。かなりの数値でしたので》

『余計なこと言わない』


ジェイ、ミュート。と凛が言うとブレスレットから溢れていた光は消えた


「……AI、人工知能か」

『ご名答、流石爆豪君』


小馬鹿にするように笑みを浮かべた凛に爆豪は手を出そうとした。
だが凛はそれをひらりとかわした


『貴方の話なら後でいくらでも聞く、聞きたいことなら全部話すから、今は作戦を最優先して。それに……彼、怒ると面倒なの』


そう言ってブレスレットをつけた腕をかざすと微かだが青白くそれは光った。


「…ッチ!おら行くぞノロマ!!」

『…』


ポケットに手を突っ込み少し先を行く爆豪の背中を凛は懐かしそうに目を細めて見つめた。


あの時からはいくらか大きくはなった

背丈も、身長も…声も低くなった

だが、昔と変わらないその背中は



『眩しいよ……かっちゃん』



憧れの象徴だった










「…ハッキリ言えやクソ女」


爆豪の少し後ろを歩く凛の言葉

それは爆豪に確かに届いていた

そして、爆豪は思い出した

ハッキリと言え。と自分も言われたあの日の出来事を



彼女が自らの前から消えたあの日のことを


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