第4章 必然で突然
『…やっちゃった』
凛は大量のマシンに囲まれながら自身の行いに苦笑いした。
爆豪が先頭を切って麗日を助けに行ったのを見て、納得してしまう自分がいた
あぁ、爆豪君は私のことなんか一切見てないんだ
いくら着飾ったって、意味なんてなかったのだ
彼女と爆豪が体育祭で戦っているのを観客席から見たとき、彼に名前を呼ばれ対等だと認められたのを羨ましく思い、そして嫉妬した
けれども、嫉妬する権利すら自分にはない
彼女は必死に努力をした結果、あそこに立っていた。
それは今回も同様だ。空に浮かんでいる緑谷は彼女の個性でだろう。誰かを助けるために力を使っているのだ。紛れもなく、彼女はヒーローの卵だ
では、私は何なんだろう?
爆豪に振り向いてもらいたいためヒーロー科に入り、体育祭や期末テストでは何の結果も残せず
今こうして仲間がピンチの時も何もできない……?
自身のことは自己責任だ。だが、仲間の手助けくらい……土台にくらいはなりたいと思った
だから「あとよろしくね」何て言ってしまった。彼らなら私なんかよりずっと爆豪君の助けになるから
『カッコつけた結果がこれって……っうぁアァ!!』
ブス、キモい、バカなどどよく言われるがまさにその通りだ。好きな人のことしか考えられないクソみたいな女。それが私、瞬木凛だ
凛が考えている間にも大量のマシンが光線のようなもので攻撃を仕掛けてきた。無論、キャパオーバーで既に意識が遠退きかけている凛は避けられる筈もない
『いっ!?』
次々と降り注ぐ攻撃を浴びながら、凛は声を出して倒れた。
もう、全てが限界だった。足に当たった光線が致命的だった
『……っ』
マシンが最後とばかりに撃ってくる大量の光線が見えるなか、凛はゆっくりと目を閉じた
その光の中に、誰かの背中の影を感じながら