第10章 第10話
和「俺…前に言ったよね?翔ちゃんの事も見てあげてって…本当は翔ちゃんだって不安なんだよ…右も左も解らない世界に急に放り込まれて…それでも頑張ってこれたのは潤くんが側にいたからなんだよ?」
潤「・・・」
和「そんな翔ちゃんを…悲しませないでよ…」
潤「…ニノ…」
そう言いながらニノはうつむき涙を滲ませていた
…俺なんかより翔くんの事見てるよな…
俺は何も見てなかった…翔くんの事…
『翔くん』の事ばかり考えて…
早く元に…『翔くん』と翔くんを戻す事…それが最善だと…
暫く長い沈黙が続いたその時
雅「…あ…」
相葉くんの声で顔を上げ、その目線を追うとそこに…
潤「…翔…くん…」
いつの間にか翔くんが佇んでいた
翔「…潤…くん…」
雅「翔ちゃん大丈夫?まだ無理は駄目だよ」
相葉くんがいち早く近付き、翔くんの身体を支えていた
翔「…ごめん…潤くん…今までワガママ言って…」
潤「そんな事…!」
翔「…帰るから…俺…本当に…ごめんなさい…」
そう言って翔くんはまたポロポロと泣き出していた…