第7章 第7話
翔「専門学校を辞めさせられたけど、どうしても諦めきれなかったから、色々なアパレルメーカーに募集して…でもどこからも採用されなくて…アルバイトで劇場とかに行ったんだけど、そこでも直ぐにクビになったんだ…何でだと思う?」
潤「…裁縫出来ない…から?」
俺がそう答えると、翔くんは少し悲しそうな顔をして
翔「…うん…それもあるけど…俺って本当に何も出来なくて、しょっちゅう怒られてたんだ。で、よく言われてた…『お前はこんな事も出来ないのか?』とか『これでよくファッションデザイナーになろうと思ったな』って…」
そんな事言われてたんだ…
翔「そんな時この世界に紛れ込んで…俺の事必要としてくれる人が居る事が嬉しくて…だから例え身代わりでも良い…ここに居たかったんだ…」
そう言う翔くんの瞳から、ス…っと涙がこぼれ落ちていた