第2章 運命の歯車 《信長様編》
そう語る、信長をじっと、大きな瞳で見つめている。
『光秀様は何とおっしゃったのですか?』
『ああ、、、
見合いの相手となる娘は、俺の幼き頃によく見知った娘だとな。』
『え❓、、、、なにを。』
『貴様は覚えておらぬかもしれぬが、確か、齢6つか7つ程の頃だろう、、、、、
この俺も、信長と、言う名ではなく 《吉法師》と呼ばれていた頃
貴様よりも、5つ6つ上くらいか、、、』
この名を聞いた茉莉花、ハッとした。
“何故❓その名を、、、
信長様が、、、、❓”
ぐるぐると記憶を辿っていた。
信長の顔を見ながら、何故だか、とても懐かしい面影を感じたが
どうしてだろう。
確かに、自分の中の記憶には、酷くやんちゃだった歳上の男の子の顔がハッキリと浮かんでいるのだ。
いつも、父の知り合いである武家の息子達にいじめられていた頃を思い出した。
だが、そんな時いつも自分を助けてくれる男の子がいた事。
その子は、間違いなく吉法師と、言う名。
だが、、、
あの吉法師なのだろうか❓
そんな訳がない、、、。
天下人の信長様が同じ人である訳がない、、、。
偶然にも同じ名前なのかもしれない、、、。
そう、思いながら話を聞いていた。