第1章 私のこころの行方
そう言いながらも、本当は薄っすらと記憶の片隅にあったのだ。
本当の両親ではない事。
でも、実の子供として育ててくれた事に感謝し、それに答えるかのように、何事も両親を落胆させないように必死に頑張って来たのである。
『そう、私達は、貴方を本当の娘として育てて来ました。
どこに出しても恥ずかしく無いようにと考え貴方には厳しく感じたでしょう。
心を鬼にした時もありました。
ですが、貴方は、小さな頃から賢く何を教えても直ぐに習得していました。
ですので、普通は女子には必要とされない剣術や勉学なども習わせました。
もちろん、貴方が嫌がれば辞めさせても良かったのですが、貴方は楽しそうに嬉しそうに全てこなしていたのが現実です。
おそらく、その経緯を知っている人間が、此度の縁談を持って来たのでしょう。
貴方は、恵まれた才を持って居ると、、、。
縁談の相手を聞きましたか❓』