第1章 私のこころの行方
と、謙信に差し返した。
すると謙信が、
『ならば、何も問題はないだろう。
おれは、お前が大切だと思っているが、、、』
そう、真面目に答える謙信に景家は、大きく頷き
『そうでございます。茉莉花様。
もぅ、茉莉花様はこの春日山城にはなくてはならぬ方です。
謙信様の大切な方なのです。』
『あ、あの、、、。
それは、大げさではないでしょうか景家さん、、、、、。
私は、、、』
と、謙信を見れば、盃の酒を飲み干し、
『まぁ良い。
ただの守り刀だと思えば良いではないか。
ただ上杉の家紋があるだけで、お前の身を守る事が出来るはずだ。
お前は、無謀な事をたまにしでかす、無鉄砲な女子ゆえ、守りとして肌身離さず持ち歩け‼️
良いな。』
有無を言わさぬ口調だが、謙信の優しさが伝わってくる言葉だ。
『謙信様、、、。
そう言う事でしたら、、、
有り難く私のお守りとして、肌身離さず携帯させていただきます。
ですが、謙信様。
無鉄砲とは、少し言い過ぎではありませんか❓
私は、横暴で人に迷惑を掛けているのを止めていただけです、、、。』
『それこそ、無鉄砲ではないか❓
正義感が強くても、周りを見て動かなくては自分がやられてしまうだけなのだから、、、。』
『、、、、、、、ごもっともです。
、、、、はい。
今後気をつけます。』
『そうするが良い。
剣術が出来てもお前は女子なのだからな。
お前の体に傷はつけたくない。』
『え❓』
『お前の親御に顔向けできんだろう。
春日山城で預かっている今は特にな。』
『そうですね。
気をつけます。』