第1章 私のこころの行方
この夜の出来事は、瞬く間に春日山城場内の人間の口づてで広まり、茉莉花に一目置く人間が増えたのは言うまでもない。
それは、そうだろう。
あの上杉謙信の心を溶かすことができた菩薩のような姫君。
城下にも、知らぬ間に広がり紫乃と買い出しに出れば、城下の人々の視線が常に自分に向けられているのを茉莉花が、
『紫乃さんどうしてこんなに、見られるのでしょう、、、、❓
私どこか変でしょうか❓』
『いえ、違いますよ。
皆、茉莉花様の事を噂でしか耳にしていない為、あの謙信様のお心を溶かされた方のお顔を、一目見たいという気持ちと、茉莉花様に失礼な事なのではないかと思う気持ちが複雑に絡み合っているのだとおもいます。
げんに、春日山城には、謙信様の心を変えることができた天女様を一目見たい。
そのお力にあやかりたいと下々の民が集まっているようですし、、、』
『でも、私はただの武家の娘でしかないのに、、、
何故そんな風な事に、、、。
天女などと、、、、
まして、あやかるなんて、、、なんて事。』
と、お茶を飲みながら部屋に居る、謙信に顔を向け最近の事を
そぅ、困った顔で呟けば