第1章 私のこころの行方
そこへ景家が朝餉の迎えに来た。
『おはようございます。
茉莉花様、景家でございます。
朝餉の準備が整いましたので、みなさまお待ちでございます。
広間にお越しください。』
『ありがとうございます。
すぐに伺います。』
そう、返事をしたのを確認し、紫乃が襖を開けると景家が、驚き身動きを止めたまま、茉莉花を見ていた。
いや、見惚れていた。
景家は、また改めてこの美しい茉莉花を必ず謙信の正室としなければ、、と、勝手に決めていた。
景家がそんな事を考えているなんて梅雨ほども予想だにしていない茉莉花は景家のおかしな様子に、小首を傾げ
『景家さん。
どうされましたか?』
『い、いえ、、、
大変失礼いたました。』